ともと素数の女王

♥番外編 第4話♥

ともと素数の女王

まゆ:ともから借りた『博士の愛した素数』…じゃなかった『博士の愛した数式』(小川洋子著・新潮文庫刊)、面白かったわー(※1)

とも:そぉ言ってもらえると、貸した甲斐があるわ

まゆ:ここで、ともに質問やけど?

とも:え?あんまり難しい話はせんといてや

まゆ:家政婦さんが博士に、大学でどのような研究をしていたのか問う場面で、博士は「数学の女王と呼ばれる分野だね」と答えて家政婦さんを驚かせるシーンがあるの憶えとぉ?

とも:そぉいえばあったなぁ。「数学の女王」ってなんやろ…と思ったけど、結局、その話はここ以外で出てくることはなかったなぁ

まゆ:博士が研究していた「数学の女王」って何やと思う?

とも:やっぱり、素数のことなん?

まゆ:当たらずとも遠からず…やな。博士が言った「数学の女王」って言う言葉は、実はガウスっていう有名な数学者の言葉やねん(※2)

とも:ガウスって磁石?磁石の研究?(※3)

まゆ:確かに「ガウス」って磁力の強さの単位やけども、その単位の名前にもなった有名な数学者。博士は磁石の研究してたんと違うでw わかると思うけど

とも:それで「数学の女王」って何者?

まゆ:ずばり、博士は整数論の学者やったんですわ。ガウスは「数学は科学の女王であり、整数論は数学の女王でもある」と言ったと伝えられてるねん

とも:詩人やな、ガウス

まゆ:ガウスさんは整数の中でも、とりわけ素数の研究でいろんな功績を残してるねん。そこは難しいから割愛するけど、たぶん「整数論は数学の女王でもある」のあとに「素数は整数論の女王でもある」って言ってたかも知れんで

とも:ほんまかいなw

まゆ:そこで提案なんやけど、このホームページの名前、ガウスと博士に敬意を表して「ともと素数の女王」にせぇへん?

とも:あんた、図々しいにもほどがあるで!

コスプレに走るまゆ

♥ 脚注 ♥

※1 『博士の愛した数式』(小川洋子著・新潮文庫刊)のエピソードは「第10話 素数とは完全数とともに愛すべき数である」を参照のこと。

※2 カール・フリードリヒ・ガウス (1777〜1855)
 ドイツの数学者、物理学者、天文学者。現在でも測量や画像処理、地図の作成などで、ガウスの研究成果が活かされている。リーマン予想でおなじみのリーマンは弟子。
 小学生時代、先生から出された「1から100までの数をすべて足した時の合計を答えなさい」という問題に、即答したエピソードは有名。『博士の愛した数式』にも同じような話が出てくる。

※3 ガウス
 メートル法で磁場の強さ(磁束密度)の単位。名前は数学者のガウスにちなむ。日本では広義に「磁石の強さ」として用いられることがあり、磁気ネックレスなどの説明に用いられたが、1997年、商取引での「ガウス」の使用は国際的に禁止された。現在は「ステラ」という単位を使用する。

※ まゆのコスプレの元ネタ
 漫画「日常」(あらゐけいいち原作)に登場する「はかせ」。見た目は8歳だが、人間並みの感情を持つロボットや、猫と人間の言葉で意思疎通できるスカーフを作ったりするマッドサイエンティスト。
 「日常」は2006年から『少年エース』に連載され、2015年10月に発売された同誌12月号の掲載をもって最終回を迎えた。アニメ化もされ、民間放送で放送したものをNHK ETVに移して放送するという異色の経歴をもつ。
 ちなみに、ともは以前から、まゆにリアルに「はかせ」のコスプレをさせたいと思っている。
 頭にかぶっている面は、アニメ「鷹の爪」シリーズに登場する「レオナルド博士」。100円ショップで買った物や粗大ゴミから世界征服用の兵器や怪人製造マシンを作るマッドサイエンティスト。「熊」と言われると反射的に人を襲う。
 「熊」と「レオナルド」の名前の組み合わせで「コントレオナルド」を思い出す人はアラフォー一歩手前である。石倉!

素数姫の素数入門

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LastUpdate 2015/11/3
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