まゆ:ともの仕事場って何階にあるん?
とも:私は3階で仕事しとぉけど
まゆ:3階まで階段、使とぉ?
とも:いいや。エレベーター。体重が増え気味の時は階段にしとぉけどなw
まゆ:それやったら、健康のために毎日、階段使いーな
とも:そぉいうあんたはどぉなんや
まゆ:私はエレベーターなんか使ってないで
とも:さすが薬剤師。健康のこと考えてるなぁ
まゆ:私の仕事場、1階やし、バリアフリーで段差もないけどなw
とも:はぁ? えらそーに何が「階段使いーな」やねんな!あ、もしかして、薬剤師直々に私の健康相談に乗ってくれるんか?
まゆ:は? なんで私が病気知らずなともの健康相談に乗らんといかんねんな。時間の無駄やん
とも:露骨に否定するなw それでも医療従事者かw
まゆ:階段っていうたら素数の話に決まっとーやん。何回この連載してると思ってるねんな!そろそろ気づきーなw
とも:意味がわかりません!
まゆ:じゃあ、ガウスさんって知っとぉ?
とも:この前、話にちらっと出てきたよね。数学の女王の話で(※1)
まゆ:そう、そのガウスさん。素数の研究で「素数階段」っていうのを考えたんや
とも:素数階段ってなんやねんな
まゆ:数の書かれた道があって、素数のところだけが1段上がる階段をイメージしてもらうとわかりやすいかな
とも:2、3、5、7…が段差になってるんやな
まゆ:そういうこと。たとえば100までだと25個の素数があるので、25段の素数階段ができる
とも:なるほど。でも、それが何かの役に立つの?
まゆ:その前に、マイナンバーの話で12桁の数に含まれる素数は37,607,912,018個あるって話したけど、これってどぉやって調べるか知っとぉ?(※2)
とも:コンピュータで素数を数えるんと違うん?
まゆ:今やったらそうやろうなぁ。でも、今から300年ほど前、コンピュータもない時代にガウスさんは、マイナンバーと同じく約1兆個の数に含まれる素数の数をある程度、目星を付けてたかも知れへんねん
とも:素数って規則性がないのに、なんで、ある数までの素数の数がわかるん?
まゆ:ガウスさんは100万までの数に含まれる素数を調べ上げたんやけど、無規則に現れる素数に、ある法則を見つけてん
とも:その法則がわかれば、計算で未知の素数がわかるようになるやん
まゆ:ええところついてるけど、そうではないねん。
とも:なんやねんな、それw
まゆ:ガウスさん、100万までに含まれる素数の個数の分布に注目したんやな。100までに含まれる素数は25個。これは平均して数4個につき1個の素数があるということになるやろ
とも:うん
まゆ:1,000までなら168個の素数があって、これは約6個に1個の割合で素数が存在することになる。10,000だと素数は何個あると思う?
とも:わかるか!
まゆ:鈍いなぁ。1229個やん
とも:そんなん普通、わからんやろw
まゆ:10,000までは8.1個に1個が素数。そして10万だと10.4個に1個。100万個だと数12.7個に1個が素数…つまり、数が1桁繰り上がることに、その数までに含まれる素数の平均値が、2.3個ずつ増えて行くねん
とも:10,000までは8.1個、10万個で10.4個、100万個だと12.7個…ほんまや
まゆ:じゃあ、1000万までやったら、何個に1個が素数と思う?
とも:それでいくと、1000万の数に含まれる素数は12.7+2.3やから、15個に1個が素数っていうことになるのん?
まゆ:ご名算!すごいやん!ガウスもビックリやでw つまり、1000万まで具体的にどの数が素数かわからなくても、この法則で素数の数は、ある程度わかってしまうねん。ちなみに1000万までは664,579個の素数があって、約15.04個に1個の割合で素数が存在するねん。
とも:無規則に出てくる素数やけど、見方を変えると規則性があったってこと?
まゆ:そゆこと。つまり、ガウスは規則性に気づいてしまってん。じゃあ、ともに質問やけど、マイナンバーと同じく約1兆個の数に含まれる素数が、約何個に1個の割合で出現するか、計算しよっか?
とも:すごい無茶ぶりやなw
まゆ:得意のExcel使ってええでw
とも:1,000万までは数15個に1個の素数があるとして、1兆は5桁繰り上がるから、5桁×2.3個で割合が11.5個。1,000万までの15個に11.5個を足すから…1兆までの数に含まれる素数の割合は26.5個に1個…ってことになるのん?
まゆ:そうやとしたら、ともの今の計算から推測される1兆の数に含まれる素数は何個になる? 正確な答えはすでに出てるけど、あえて計算して出してみようw
とも:1兆を26.5個で割ればええから…約377億個になるかな
まゆ:実際は37,607,912,018個なので、誤差1億あるけど、ええ線いってるんと違う? 今回、やってもらった計算は初歩的なものなんやけど、これを元に修正した「ガウスの素数定理」の式で計算すると、その誤差は「+38,263個」までに縮まるねん
とも:私みたいな、数学ど素人でも素数の数の目星を付けられるんやったら、大きな桁の素数そのものを探すことができるんと違うん?
まゆ:ガウスさんも、それを考えたんやけど、ガウスさんの素数定理では、どの数が素数なのかまではわからへんねん
とも:素数の個数はわかってるのに、どの数が素数かわからへんって、もどかしいなぁ
まゆ:ガウスさんも、今のともと同じ感情を抱いたやろなぁ。そこで階段やねん。ガウスさんは、数式をグラフにしたときに、素数ごとに段が上がる階段になるようにしたかってん。つまり、段差のある数を読めば、その数が素数であることがわかるやろ
とも:なるほどなぁ
まゆ:結局、ガウスさんは具体的にどの数が素数かを判定する計算式を編み出すことはできんかってん。その数式で作るグラフはええ線までいったんやけど、正確な素数を見つけるまでには至らなかった。ここで、ガウスの弟子とも言われるリーマンさんの登場ですわ
とも:いよいよ、素数界のスーパースターの登場やな
まゆ:よぉ、わかってるやん。いよいよ、あんたも素数姫になれる時がきたなぁ
とも:いや、リーマンさんの話が出たら、この話、終わるんやろ
まゆ:もしかして、終わらせたがってる?
とも:うん
まゆ:今のひと言、ともを唯一無二の心の友やと思ってたのにショックやわぁ。ということでリーマンさんの話は次回に続くでぇ
とも:まだ続けるのぉ…orz
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Last Update 2016/01/09
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